現在私たちは、大量生産された紙を使用しています、しかしそれらの殆どがパルプを使用した酸性紙のため、和紙のように数百年後に読んだり、書くことは不可能かも知れません。紙がまだ量産される前の時代、日本ではパルプを使用しない純生手漉和紙が主流でした。当時、紙漉きは冬場の農家の仕事でした。現在のようにビニールハウスがなかった時代、冬場にお米や作物を作ることは簡単ではありません。そこで、農家の人々は冬場に紙を作り、春になるとお米や農作物を作るという生活を送っていました。冬場にしかできない紙漉き。今のように大量に一年中作ることはできません。そこで、昔の人々はその和紙を様々なところで再利用しました。 その1例とし、”襖”を取り上げたいと思います。”襖”は夏場は湿気を吸い、冬場は湿気をはくという調湿効果、そして防音効果までも備えています。 ここ数十年で、”襖"がある家は急激に少なくなりました。"襖"を見るのはお寺や旅館、ホテル、祖父母の家というのも珍しくありません。ホテルや旅館で見かける”襖”は昔の襖と異なり、最近ではダンボールチップやベニヤ板が主流として使われています。 本物の”襖”とは杉材の組子下地を使用し、表面、裏面共に和紙がいくつもの層が重なって絵や襖紙が張られています。通常片面6枚の紙が重ねられている襖は、この和紙の層があることにより調湿効果と防音効果を備えるわけです。 現代は張り替える際、新しい和紙を使用し下張りを行いますが、紙が貴重であった時代、そこに使用される紙は全て「使用済み和紙」でした。この「使用済み和紙」は時には、行政文書、日誌や婚姻届け、帳簿、絵の下書きなど様々です。これらの和紙は200年、300年経った現在でも読むことができるのです。
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